特殊加工
医療技術の進歩により、医薬品を安定化させるために容器に対する要求が高まってきています。
アンプル・バイアル等のガラス容器内のアルカリ成分の溶出を極力おさえた容器やタンパク質吸着を防ぐ容器が求められます。
岩田硝子工業(株)では、製薬会社様のニーズにお応えすべく低アルカリ処理や吸着量を減らす(タンパク質吸着を減らす)加工として、シリカコート加工(二酸化ケイ素被膜コート)、サルファー処理、塩酸処理に加えて新たにIRAS処理を行い対応致します。
更に撥水性のためのシリコン加工を行いお客様のニーズにお応えしています。
IRAS
独自の成型技術で、低アルカリ・タンパク質吸着を抑えるアンプル・バイアル・シリンジなどの医療用ガラス容器の製造を実現致します。抗生剤・ワクチン・バイオ製剤・抗がん剤・核酸医薬・抗体医薬に使用され、高品質かつ長期安定性を実現することでお客様に貢献致します。
IRAS
長期的低アルカリ処理×低吸着
IRASの特徴
- ホウケイ酸ガラスから溶出するアルカリ成分量を長期的かつ強力に抑制し薬剤を安定させます。
- インラインで製造することで異物混入リスクの回避及び、コストパフォーマンスの高い製品の製造が可能です。
- フレークス発生率を著しく減少させます。
- アンプル・バイアルのガラス壁面への薬液の吸着量(タンパク質吸着)を減らします。
- 均一なIRAS処理が可能なため、バラつきや、処理によるムラがありません。
- IRAS処理は、処理液残渣がないため未処理品と同じようにお使いできます。
低アルカリ処理IRAS・
シリコート加工
薬剤によっては、バイアルのガラス表面から溶出するアルカリ成分と反応し力価に影響を及ぼすことがあります。
岩田硝子工業(株)では、アンプル・バイアル・シリンジに独自の低アルカリ IRASや、シリコート加工(二酸化ケイ素被膜コート)、サルファー処理、塩酸処理、シリコン加工をすることで、低アルカリや薬剤吸着(タンパク質吸着)の低減を実現し、お客様のニーズにお応えします。まずは、ご相談ください。
また、IRASは凍結乾燥製剤において、凍結乾燥後に製剤の這い上がり現象を凍結乾燥条件を変更することなく抑える効果を持っています。
凍結乾燥製剤の這い上がり現象にてお困りな場合はご相談下さい。
岩田硝子工業のIRAS
岩田硝子工業(株)では、バイアルのガラス表面からのアルカリ溶出を防ぐために独自の処理方法(IRAS処理)を実現し日本薬局方(JP)、欧州薬局方(EP)、米国薬局方(USP)に対応したバイアルを製造致します。
その他、特殊加工(シリコート加工、シリコン加工、サルファー処理 etc…)を承ります。
製品名 | 5mL バイアル IRAS処理品 | ||||||
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試験方法 | JP | USP660/EP | |||||
n数 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
測定値(mL) | 0.175 | 0.165 | 0.18 | 0.16 | 0.15 | 0.15 | |
測定基準 | 換算量1.3mL以下を合格P | ||||||
判定結果 | 合格データ 別途あり |
合格 | 合格 | 合格 | 合格 | 合格 | 合格 |
IRAS アルカリ溶出
長期安定性比較試験
バイアル(IRAS)と
通常バイアルの
金属イオン 溶出物比較試験
サルファー処理(ブルーム処理)
サルファー液を用いることで、アンプル・バイアル等のガラス表面が溶出するアルカリ成分と反応し、低アルカリを製造致します。
《サルファー処理の原理》
ガラスから溶出するNa2O と(NH4)HSO4と反応してNa2SO4の白色粉末 (ブルーム)を生成する方法
(NH4)2SO4 → 加熱 → (NH4)HSO4 + NH3↑
Na2O + (NH4)HSO4 → 加熱 → Na2SO4 + NH3↑ + H2O↑
塩酸処理品
アンプル・バイアルへのサルファー処理の後の見た目を透明にしたい場合に使用されます。
塩酸処理を行うことによりサルファー処理と同等の低アルカリ処理能力を発揮致します。
アルカリ溶出 長期安定性試験
シリコーン加工
アンプルやバイアルのガラス容器に対して、撥水性を持たせるために使用されます。
アンプル・バイアルの容量に関係なく承ります。
自動瓶(ソーダ石灰ガラス)へのシリコン加工も承ります。
シリカコート
化学的に安定なSiO2被膜(シリカ被膜)を形成し、ガラスと内容液との相互反応を抑制します。
純粋なSiO2のみからなる被膜であるため、不純物やNaなどのアルカリ金属溶出のリスクがありません。